ある特定の年齢を災厄の多い年として忌み嫌うことは古くから行われ、現在でもこの信仰は極めて盛んです。その年齢には種々の説がありますが、とりわけ、男42才・女33才は本厄とされており、そこで厄年にあたる年には、神社に参拝し、一年の安全を祈願する慣わしであり、これを厄祓い・厄祝い等といわれております。
厄年と呼ばれる年齢は、時代や地方により様々ですが、
◎室町時代の拾芥抄によれば、
13・25・37・49・61・85・99才
◎江戸時代の和漢三才図絵によれば、
7・16・25・34・43・52・61才
と、7才から始まり、以後9年毎に厄年が来るとされておりました。
また、男女の厄年をわけて、
男は25・42・61才、女は19・33・37才
と記されております。
現在、一般的には左記の表の年齢といわれております。
※厄年などは、全て数え年で計算します。
数え年とは、生まれた時にはすでに1歳と考え(お腹の中で一般的に10ヶ月10日と言われる為)、正月を迎えれば「1」を足し2歳となります。
簡単な数え年の計算方法として、新たな年が明けてから、この厄年表を見られた時現在に誕生日が過ぎていれば、満年齢に「1」を足して下さい。誕生日がまだの方は「2」を足して下さい。そうしますと、左記の年齢になります。
また、厄年は生まれた年(とし)で見ますので、同じ学年でも早生まれの方(1月〜3月生)とそれ以外の方(4月〜12月生)とは1年ずれが生じます。
数え年70才の古希、77才の喜寿、88才の米寿などの祝い年や、その年の年男・年女も厄年の一種ともいわれております。
問い合わせでよく、『厄年になればどうすればよいか』、『何をすればよいか』、また『何をしてはいけないか』という質問をよく受けますが、時代や地方により様々ですので決まった一つの答えがあるというものではありませんが、ご参考にしていただければと思います。
以前ですと、よく厄年になりますと、命長く・末長くという想いを込めて、火箸をお祝いとして贈られる方が多かったようで、その火箸を使う機会もいろいろあったように思えます。(現代社会の様に電気・ガスではなく、炭や薪で火をつける時に使用)
しかし、最近では、火箸を贈られても、厄年の間、箱も開ける事もなく置かれているだけということ良く耳にします。
それでしたら、一つの方法としまして、火箸と同じように長い物で(命長く・末長くという想いを込めて)実際にお使い頂ける物、男性でしたらベルトやネクタイ等をお祝いとして贈られるのもいいのではないでしょうか。女性の方でも、帯やベルトやスカーフ、ネックレスやブレスレット等、火箸に代わる長い物を贈られる方も多いようです。
厄祓いに限らず、ご祈祷はご本人様やご家族様のお気持ちだと思いますので、『あれはしてもいい』『これはしてはだめ』という事だけにまどわされないということも大切な一つではないでしょうか。
世間一般には、厄年の時は災い・災難が起こると言われております。 これは、古代の日本人が長年の生活から見出した習慣ですが、近年特に感じます事は、厄年になると『悪い事が起こる』と言う事だけが頭にあり、悪い方ばかりに考えられる方が多いように思えます。
確かに、何事でも最悪の事態を想定する事はもちろん大切です。当社も年間数十のお祭がありますが,いつも願う事は当日晴天に恵まれ、参拝者の事故がない事です。やはり雨が降った場合の準備も当然いたしますが、『雨降ったらどうしよう』という悪い事ばかりを考えずに、前向きに晴天になる事だけを願っております。
『厄年』を少し前向きに考えますと、特に家庭・仕事において『役目の年』『役割の年』と置き換えてもいいのではないでしょうか。男性ですと家族の柱として、また仕事での責任、女性ですと、家庭での役割・仕事での役目等・・・。
困難・災いとは、乗り越える事のできる人に与えられる神様の試練ではないかと思えます。 今の社会情勢では『厄年』に限らず、毎日がいやな事・つらい事・腹の立つことの連続ではないでしょうか。
これは当然神職にしましても同様ですが、困難を乗り切ろうとする前向きな気持ちが、明日へのスタートではないでしょうか。
厄祓祈祷を受けに来られる方の中には、厄年に関らず、悪い事が無く、より良い年になるようにと、ご家族全員、或いは個人で毎年お受けになられる方もいらっしゃいます。また、会社という大きな団体でお受けになられる方もいらっしゃいます。
御祈祷を受けられることにより、明日へのきっかけとなります事を心より願っております。
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